【バリ】感性を刺激する、文化とデザインの旅

先日、デザインリサーチと商品企画のアイデア探しを兼ねて、インドネシア・バリ島へ出張してきました。
現地の文化や建築、民芸品、美術作品などを通して、“心地よさを生むデザイン”とは何かを改めて考える3日間でした。

アートリゾートで感じた、空間の中の「呼吸」

夕方にバリへ到着し、まずは宿泊先のアートリゾートへ。
建築やインテリアに使われている素材はどれも自然と調和していて、光や風の入り方までもが計算されているようでした。
装飾を足すのではなく、「引いて整える」デザイン。
無理のない心地よさに、環境とデザインのつながりを感じました。

工房と寺院を巡って見えた「手仕事のリズム」

2日目は、バリの建築現場や民芸品工房、寺院を訪問しました。
Pura Gunung Kawi Sebatuでは石彫りの職人さんたちは、驚くほど丁寧で、どの模様にも自然のモチーフが息づいています。
なんだか本格的に寺院を今も作り続けているんだなと。私がバリで生まれてたらこういう職人さんになったのかもなあ。
寺院の装飾に使われている形や色には、それぞれ意味があり、
“ただ美しい”だけでなく“祈りを込める”という意識が強く感じられました。

素材や紋様、配色の組み合わせ方など、今後のプロダクトデザインにも活かせそうなヒントをたくさん得られました。
地面の紋様がとても可愛くて、でも自然と調和してて、バリらしさを感じました。

バリ建築ってこう見れば面白い!デザインの視点で散策

バリ建築ってこう見れば面白い!デザインの視点で散策

バリ島に来ると、道端やお寺、お店の前に置かれた小さなお供え物や、赤レンガの壁、スパッと割れた門など、あちこちに独特の風景があります。実はこれ、全部デザインの工夫なんだそうです。
調べたら面白かったのでまとめてみます。

垂直に積み上げる壁+装飾の「二層構造」

バリの建物は、赤レンガや溶岩石をまっすぐ積み上げて作った壁の上に、彫刻や装飾を「貼る」ように施しています。

  • 赤レンガ × 黒い溶岩石 × 自然色の彫刻でコントラストを演出
  • 壁は垂直でまっすぐ → 重厚感と秩序を感じる
  • 彫刻は神話や神様のモチーフ → 神聖さを象徴

見るポイント:構造の「強さ」と装飾の「美しさ」が一体化しているところが、バリ建築の魅力です。


スパッと割れた門「カランガナン」

お寺や王宮の入り口でよく見る、真ん中がスパッと割れた門。これは カランガナン(Candi Bentar) と呼ばれる伝統的な門です。

  • 中央の割れ目 → 神聖な空間への入口
  • 左右対称のデザイン → 見た目の調和と秩序
  • 装飾 → 神話や精霊の彫刻で邪悪なものを防ぐ

観光ポイント:門の真ん中には立たず、左右どちらかを歩くのがマナーです。


道端やお店にあるチャナン

小さな葉っぱのトレイに花やお米、お菓子をのせた チャナン(Canang Sari)。バリでは毎日あちこちに置かれています。

  • 意味:神様への感謝、悪霊除け、商売繁盛、交通安全など
  • デザイン的には小さな「層構造」で、色と素材のコントラストが美しい
  • 生活空間に自然に神聖さを取り入れるアクセントになっています

観光ポイント:踏んだり触ったりせず、そっと避けるのがマナー。


🕉 バリのヒンドゥー教建築の特徴

  • 多神教のヒンドゥー教 → 神々や神話が建物に反映
  • 壁や門の彫刻は物語のようにびっしり
  • インド本土の寺院の塔状デザインとは違い、水平・垂直ライン+装飾の二層構造で日常と神聖をつなぐ

デザイン視点まとめ:

  1. 秩序と神聖さの視覚化:垂直ライン+装飾
  2. 日常との調和:チャナンや割れ門で生活に神聖さを自然に取り入れる

バリ建築を歩きながら見ると、ただの「赤レンガの壁」や「割れた門」も、神聖さ・美しさ・生活感のバランスを考えたデザインだと気づきます。
写真やスケッチと一緒に紹介すると、読者もその空間感を感じやすくなるはずです。

ブランコ・ルネッサンス美術館で出会った、自由な造形

最終日は「バリのダリ」とも呼ばれるアントニオ・ブランコの美術館へ。
彼の作品は、バリの伝統と西洋アートの融合が特徴で、どの作品からも“遊び心”と“情熱”が溢れていました。
展示空間そのものも、まるで一つの作品のよう。

メインの空間は撮影禁止だったものの、彼の実際のアトリエは撮影OKでした。
実際に座らせてもらってブランコ気分を味わうことができました。
彼のアートのモチーフは女性が多く、ダリ感よりもフレスコ画とかテンペラっぽい17世紀ヨーロッパの影響を強く受けてるのかなーと感じました。
アートと建築の境界が曖昧で、空間全体が創造の場になっている印象でした。


まとめ:文化を感じるデザインの力

バリのデザインは、どれも人や自然とのつながりを大切にしているのが印象的でした。
美しさや機能だけでなく、“意味”や“祈り”のような目に見えない要素が根底にあります。

今回の視察で感じたことを、自社のデザイン研究や商品企画、そしてこれから発信していくコラムづくりにも活かしていきたいと思います。

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